2024年1月30日研究会報告

こんにちは、三年の關です!

私の好きな米澤穂信さんの〈小市民〉シリーズなんですが、新刊の発売決定に加え、なんとアニメ化も発表されたということで……ここ数週間ずっと浮かれています。生きているうちに見られるとは!と言うと大袈裟かもしれませんが、それくらい楽しみです。それはそうと浮かれすぎて階段を踏み外さないように気をつけたいと思います。

 

2024年1月30日研究会報告

 

今回の研究会では、那須正幹『少年のブルース』に収録されているショート・ショートのうち、11編について読書会を行いました。

 

それぞれの短編について、例えば「わるい夢」ではどこで夢と現実が切り替わっているのかという点が議論されたり、「風鈴」では風鈴が何を比喩しているのかという点に着目したり、「人の年」や「実験」に見られる動物のヒト化から何が読みとれるかという点について話し合ったりと、活発に意見が交わされました。

個人的には「ああ、友情」における人称の使い分けが興味深かったです。このお話の語り手は「ぼく」ではなく「ぼくら」であり、読者も「ぼくら」の立場で読み進めていくことになります。善意を押し付けていることに気が付かず、逆に学校に来ない松井くんを心配してあげる自分たちに陶酔している彼らの中に読者も含められるこの構造にぞくっとしました。大人が登場しない点も面白く、さらに考察を深めることができそうなお話だと感じました。

 

このショートショート集は太田さんが小さい頃に読んだもので、とても印象に残っていたと話されていました。思い出してみると、私も昔読んだ星新一ショートショートが今でも記憶に残っており、今回の読書会を通して、短い量で印象的なオチをつけるショートショートというジャンルの魅力を再確認することができたように思います。『少年のブルース』に収録されている他の作品も読んでみたいと思います!

今回、企画・資料作成を担当してくださった太田さん、ありがとうございました!