2023年7月25日研究会報告

こんにちは。3年の木原です。
毎日毎日暑いですね。私のスマホの天気予報は、35度を超えると「晴れ」とか「曇り」とかではなく「暑い」の表示になります。もはや天気などなく、暑さがあるのみ……。

 

2023年7月25日研究会報告

 

今回は、三条会関美能留さんによる講演会の最終回として、三島由紀夫『近代能楽集』より「弱法師」を鑑賞しました。

冒頭、級子役の女性が山口百恵「プレイバックⅡ」を歌う中、これまでの『近代能楽集』の公演に出ていたキャラクターたちが登場し、次々に「弱法師」での衣装に着替えていくという演出はとても衝撃的でした。また、クライマックスにBGMとして流れる「ジュラシック・パーク」のテーマは、客入れの時に毎回流していた曲とのことで、講演会の最初に関さんがおっしゃっていた「最終回っぽさ」というものが随所に現れていると感動しました。40~50代だと思われる両夫妻が学生服を着ている意味や、級子の演技の手法など、見ている間は疑問に思っていたことも関さんの解説でとても腑に落ちました。

関さんの演出する舞台は、普通に戯曲を読んだときに想像するであろう舞台とはまったくかけ離れていて、見るたびに圧倒されます。しかし、それらは全く秩序のない荒唐無稽な演出という訳ではなくきちんと意図があるもので、劇を見ていくうちに不思議な説得力が増していくのを感じます。私は個人的に高校から今までずっと演劇をやっているのですが、三条会の公演を見て、演劇とはもっと自由に作ってもいいものなのかもしれないと感じました。

これで、昨年度から開催してきた、三条会の関さんをお招きしての講演会は終了となります。作品に関することからもっと広い範囲のことまで、たくさんの質問に回答していただいたおかげで、多くの学びと刺激を受けることができました。本当にありがとうございました!