2023年5月23日研究会報告

はじめまして。今年度から現代文学研究会に所属となりました、新3年の関と申します。

高校生の頃から拝見していた現代文学研究会のブログということでどこか緊張もしつつ、それ以上に今回担当できることをとても嬉しく思っています。これからどうぞよろしくお願いします!

 

2023年5月23日研究会報告

 

今回の研究会では、三島由紀夫『近代能楽集』より「熊野」の読書会を行いました。今回は3年生のグループと4年生・院生のグループに分かれて話し合いを行い、その後に全体で意見を共有しました。

 

私たち3年生は主に内容の解釈について話し合いました。登場人物の中でいったい誰が嘘をついているのか、そしてなぜ嘘をついたのかという点や、最後に宗盛が言った「花見」とは何を指すのかという点に着目しました。

 

一方先輩方は舞台装置やBGM、桜の表現方法など演出面に着目されていました。また、登場する小道具について他の三島作品内で果たしている役割と重ね合わせて考察されており、非常に興味深く感じました。

 

全体での話し合いでは、この作品が戯曲であることを踏まえ、一度見ただけで理解できるかどうかという点が論点になったかなと思います。「熊野」には解釈が難しい箇所が多々ありましたが、その「よく分からない」ところが私たちに魅力を感じさせるのかもしれません。

 

今年も関美能留さんにお話を伺えるということで、今回はそれに向けた勉強会も兼ねていました。関さんのご講演は以前から楽しみにしていましたが、今回の研究会を経てその気持ちがさらに大きくなりました。少し気が早いかもしれませんが、今からとても待ち遠しく思っています。