1月12日の研究会について

皆さん、あけましておめでとうございます。

三年の上野です。

 

1月12日の研究会は、三年の高野くんの読書会を行いました。対象作品は第134回芥川賞受賞作の絲山秋子沖で待つ」です。

 

今回は、「沖で待つ」というタイトルの意味、物語の構造、そして物語終盤に明かされる主人公の秘密について、以上の三点を学年ごとに話し合いました。

面白く興味深い意見が多数ありましたが、私が個人的に印象に残っているのは、四年生さんの「主人公の観察日記の対象に、太っちゃんもいたのではないか」という説です。確かに細部に注意して読むとそう読み取ることもできそうで、面白い意見だと思いました。「意味が分かると怖い話」に遭遇した気分でした。

 

絲山秋子の作品を読むのは「沖で待つ」が初めてでしたが、これを機に他の作品も読んでみようと思いました。

 

さて、次回からは二週連続で映画鑑賞を行います。対象作品は、吉田大八監督「腑ぬけども悲しみの愛を見せろ」です。本谷有希子の原作小説もぜひ目を通してみてください。

対面で行いますが、健康面で不安のある方は無理して登校しないで自宅で安静になさってください。

 

 

12月22日の研究会について

 こんにちは、田林です。いよいよ今年の最後の研究会となりました。今日は山際さんの「小説家の作り方」の発表がありました。

 最初は小説じゃないかなと思っていましたが、逆転する物語でとても面白かったです。原作との比較によって、改変すべきなのかとどこまでが真実なのかについて議論を進めて、多様な意見が出ました。院生さんたちの意見が読者(いじめをした子)が読んだあとの状態も言及していて、新しい視点が得られました。

 最後に、次の発表は1月12日高野さんの読書会です。今年は初詣できないかもしれませんし、帰省も難しい方がいらっしゃると思いますが、よいお年をお迎えください。

12月15日の研究会について

みなさんこんにちは。西条の初雪を、爆睡で見逃した高野翔大です。

 

12月15日の研究会では、脇田君による、米澤穂信の『儚い羊たちの晩餐』の読書会でした。「イヤミス」でおなじみの米澤穂信ですが、個人的に,読んでいてどんどんとその世界観に引きずり込まれる不思議な感覚を味わいました。

 

また、作品について学年ごとで話し合うなど、活発な読書会となりました。「日記が創作であるか、現実であるか」といった議論や、羊の持つ意味など、様々な観点から話し合いました。旧約聖書の話なども話に挙がり、周りの方々の素養の高さに、高野はただただ驚いていました。

 

来週は、山際君による読書会です。

早いもので、来週で2020年の研究会も終わりです。今年は、コロナによる自粛ムードでにぎやかな正月は迎えられないかもしれませんが、体調に気を付けてお過ごしください。

 

12月8日の研究会について

 こんにちは。三年の上野です。

 

 12月8日の研究会では、三年生の西井君による、筒井康隆の「無人警察」の読書会を行いました。

 

 この作品は、筒井の断筆宣言のきっかけとなった作品です。西井君の資料では、断筆宣言に至る経緯や、筒井自身の言説、この騒動から生じた論点(ジャーナリズム批判や表現の自由の問題)等が取り上げられており、断筆宣言について知識を持たなかった私にとって、とても興味深い内容でした。

 

 今回の読書会は、対面で実施する利点を活かして、学年ごとに分かれた話し合いを交えながら進めました。「無人警察」の教材としての適性や、断筆宣言周辺の論点、管理社会への風刺という物語の世界観に関する論点など、幅広い意見交換が行われました。

 

 この作品は、断筆宣言の騒動を語る上でのフックとして取り上げられるばかりで、今までに内容に触れられたことがほとんどなかったようなので、今回の話し合いは、作品研究にとって、有意義なものになったのではないかと思います。西井君の今後の筒井康隆研究に活きていけば良いなと思いました。

 

 次回の研究会は、脇田君の読書会を行います。

 

 最近、毎日学食で昼食を食べるのも飽きて来たなあ、ということで、先ほど浮田さんとマクドナルドのグラコロを食べて冬を感じてきました。試験勉強に追われ、心が折れそうな毎日ですが、いつもと違うご飯を食べるだけで、あったかい気持ちになれるものですね。皆さんも、美味しいごはん、食べてくださいね。