2024 年1月23日研究会報告

こんにちは!!三年の鈴木です。

 

今年は暖冬だなあ!と舐めていたら大寒波が来て寒かったです……寒い……!でも雪が降らないと寂しいのでこれはこれでありがたい感じもします(?)

これからも雪が積もる日はあるのでしょうか?雪合戦したいなあ~~!!私は受験生の時に弟と雪だるまを作っていたらそのタイミングでお母さんが帰ってきて怒られた思い出があります。もしも受験生でこのブログを見ている方がいたら雪遊びは我慢して来年思いっきり遊びましょう!!

 

2024年1月23日研究会報告

 

今回の研究会では米澤穂信『儚い羊たちの晩餐』についての読書会を行いました。

最後に唇が最も良い部分であるといわれているがそれはなぜなのか、バベルの会が全員女性なのはなぜなのか、「わたしは」で終わる日記は何を意味しているのかなど多くの疑問について話し合いました。

特に日記の書き手の鞠絵について、上流階級でふんぞり返っている父親を嫌っているが父親と同じような気質が鞠絵にもあり、自分自身の暴力性に無自覚なのではないかという意見がありました。また、鞠絵がバベルの会に戻るのかと思ったら会員を全員殺してしまうことで自分の戻る場所がなくなってしまって狂ったことが最後の「わたしは」で終わることに繋がるのではないか、または「わたしは」の続きを書くことが出来ない理由があったのではないかという意見も興味深かったです。鞠絵はバベルの会を恨んでいるというわけでもなさそうだったが全員を殺したのはどういうことなのか、お父さんに食べさせたのはどうしてなのかなどの疑問もあり、考える部分が多い面白い作品だなと思いました。

日記とされているにも関わらず会話が多いことから、日記を読んでいる女学生の妄想なのではないかということや、日記自体がフィクションである可能性も指摘され、「信用できない語り手」という視点でも面白かったです。

最後には短編小説集をどこから読むのかという話にもなり、通常表題作は最初に置かれていそうですが、この短編集では最後にされていることの意味についても話し合いました。短編集をすべて読んでいる人たちだけで盛り上がっていたので羨ましいなあと思いましたし、私もちゃんと『儚い羊たちの祝宴』を全部読もうと思いました。

今回關さんがこの作品を選んだのは過去にブログでこの作品について読書会をしている報告を見たからで、しかも広島大学に来ることを決めたのもそのブログがきっかけとのことでした!そういう作品を読書会に選ぶのって素敵だなあと思いました!

今回読書会を担当し、資料作りなどを行ってくださった關さん、ありがとうございました!!

2024年1月23日研究会予告

引き続き、3年の木原です。

 

2024年1月23日研究会予告

 

次回の研究会は、関さんによる米澤穂信「儚い羊たちの晩餐」の読書会が行われます。Teamsにアップされている本文を読んだうえでご参加ください。また、資料についても後日Teamsにアップロード予定ですのでご確認をお願いします。

 

今回の研究会後、3年生の間で「もしかして、そろそろ研究会ブログを書くのって最後かも?」という話があがりました。年度末が近づいていますが、あまり現実味がないというのが正直な感想です。今年度の研究会も残り少ないですが、精力的に活動していきたいと思います。

2024年1月16日研究会報告

こんにちは。3年の木原です。

 

受験シーズンですね。1月13日、14日には広島大学でも共通テストが行われたようです。受験生の皆さん、お疲れ様でした。

私にも高校3年生の妹がいるのですが、先週末は広島市内の大学で共通テストを受験していました。毎日本当に頑張っている様子を見ると、どうにか合格してほしいという気持ちになります。

このブログを見ている方の中にも、広大文学部志望の方がいるのでしょうか?いつか現代文学研究会でお会いできることを楽しみにしています。あともう少し、頑張って下さいね。

 

2024年1月16日研究会報告

 

今回の研究会では、前回の黒沢清監督『CURE』の続きを鑑賞した後、作品について全体で話し合いました。

(※以下映画のネタバレ注意)

 

 

 

話し合いでは、『CURE』全体のテーマについて、人間のコミュニケーション・考え方の基盤となる因果関係を全く無視していることという話をしました。劇中、記憶障害を持つ間宮の要領を得ない会話や、普通の日常の1シーンのなかで突如として正当な理由を持たない殺人が行われることなどがこの作品の不気味さだと思ったのですが、そこから理性的・近代的な人間に対する挑発だと捉えることも確かに可能で得心しました。

また、催眠の発動条件がライターの火・垂れる水・煙草の煙などの”ゆらぎ”なのではないか、伝道師としての間宮と高部の違いについて、カメラワークや音など映画の演出について、間宮≒文江(高部の妻)説、作中の男女の描写によるジェンダー意識についてなど、たくさんの話題についていろいろと興味深い話し合いをすることができました。

 

私はホラー耐性が全くないため、先週も今週も映画を見ながら実は「もうこんな話やめにしようよ……」とずっと思っていました。しかしホラーとは怖ければ怖いほどホラーとしての完成度が高いということですし(おそらく)、そんなに怖かったはずなのになぜか研究会が終わってからもずっと『CURE』について考えています。恐るべし、『CURE』……。

個人的には、佐久間の自殺について、作中に登場する小説『青髭』について、クリーニング屋は何を意味しているのかなどが気になります。怖すぎてもう絶対見たくないと思うのに、この調子だともう一回一人で見ていそうな予感もします。怖いです。

今回企画・資料作成をしてくださった入川くん、ありがとうございました!

2024年1月16日研究会予告

引き続き、太田です。

 

2024年1月16日研究会予告

 

次回2024年1月16日の研究会は、前半に『CURE』の続きを鑑賞し、後半に読書会形式で意見交換を行います。資料がteamsにアップロードされ次第、ご確認をお願いいたします。

寒さもこれからが本番です。体調を崩さないよう気をつけてお過ごしください。