1月24日研究会予告

引き続き、三年の山﨑です。

 

1月24日研究会予告

 

来週1月24日から二週にわたって、読書に関する座談会を行います。

第一週目のテーマは「本の選び方」。

どのように本を選ぶのか、本のどこを見て読もうと決めるのかなどについて、雑談に近い形で、研究会メンバーとお話しする予定です。

テーマとどのくらい関わりがあるか分かりませんが、個人的に、本を買う時、中古本と新本どちらを買うかということが、ちょっと気になっています。新本を買った方が著者に対してきちんと代価を支払っている感じがしていいなと思う一方、中古本を買った方が安いじゃないか、というちょっと俗な考えも捨てられません。他の方はどう考えているのか、聞いてみたいと思います。他にも、研究書などをどのように選定して読んでいるのか、本の情報をどのように仕入れているのかなどもお聞きしたいと思っています。

 

最近、12月に比べればずいぶん暖かくなったなあ、と思っていたのですが、来週から大寒波が到来するそうです。皆さま、暖かくしてお過ごしください。

1月17日研究会報告

こんばんは、三年の山﨑です!

 

1月17日研究会報告

 

1月17日の研究会では、先週鑑賞した「班女・道成寺」について関さんにお話を伺い、質問にお答えいただきました。
三島由紀夫『近代能楽集』全8作を読む/観る/語る 関美能留講演会」の今年度最後の回ということで、「班女・道成寺」に関する質問だけでなくこれまでの講演会の内容を貫くような質問や関さんの演出法についての質問も出されました。

 

初めに出たのはセリフに関する質問でした。今回の劇では、戯曲「道成寺」の「私、驚きません」という台詞が、「班女」のある場面の直後に置かれることで、戯曲のときにはなかった異なるニュアンスが生まれていました。この部分について「稽古をしているときに『私、驚きません』のあたりで切りたいと思った。今回は、二つの作品を一緒に進めていく形だったため、最初に短いスパンで作品を切り替えて観客をこの形式に慣れさせる必要があった。それで、このあたりで一回切り替えておきたいと思った。ここで切り替えれば、二重の意味もうまれて面白いと思った」と語っていました。また、これに関連して台詞に対する演出や考えについて、「三島の戯曲の特徴と言えば、文語的な台詞だと思う。日常的な会話では使わない言葉が使われてる。自分としてはそういう文語が口語になる瞬間を求めていきたいと思っています」と語っていました。

 

また、小道具についての質問もかなり盛んに出ました。関さんはこれまでの作品で、戯曲中に登場する小道具を木の板やブルーシートなど全く異なる物によって表現するという演出を行っていました。しかし、今回は、戯曲のト書に従って、新聞紙がそのまま登場していました。これについて、なぜ他の物で表現しなかったのかという質問が出ました。関さんは、「新聞紙を実際に使ってみると、あれだけの時間では雪みたいに細かく切れないことがわかる(※作中には、ながい間恋人を待つ中で狂ってしまった花子という女性が、細かく切った新聞紙をあたりにまき散らし「ほら、雪が降ったわ」と言う場面があります)。『綾の鼓』の鼓を叩く場面みたいにできるのを見せる演出ではなくて、できないということを今回は見せたかった」と答えられていました。個人的には、新聞紙の大きな切れ端をまき散らして「ほら、雪が降ったわ」と言うことで、花子の認識の狂いがより強調されていた印象も受けました。

 

さらに、これまでの回と同様、劇中の音楽に注目した質問が今回も出ました。「班女・道成寺」では映画「ゴジラ」のテーマ曲が使用されています。この選曲の理由について聞かれると、「『班女』と『道成寺』の共通点の一つは、外から不思議な人が来て場が乱れていくというところ。その外部から侵略される雰囲気を醸し出すために「ゴジラ」の楽曲を使用した」と回答されていました。今までの作品を振り返ってみると、役者さんが好きな曲を使用した(「邯鄲」)り、登場人物の裏側の心情を暗喩した(「綾の鼓」)り、作品の展開と重なるような映画の楽曲を使用した(「葵上」)りと、関さんは様々な意図をもって音楽の演出を考えていることが分かります。来年度の講演も、音楽に注目して鑑賞してみたいと思います。

 

ほかにも、同じポーズを作品をまたいで登場させていることに関する質問、アドリブについての質問や、関さんが雑談の時間を重視されていることに関する質問など、様々な質問が出されました。今回は、二つの作品がお互いの内容を翻訳しあうような斬新な演出がなされていて、本当に衝撃的でした。来年度に予定されている「熊野」の講演会も楽しみです。

2023年1月10日研究会報告

 2023年最初のブログとなります。明けましておめでとうございます! 年が明けてからもう既に半月ほどが経過したことに愕然としている、3年の守友です。正月気分が未だ抜けないおかげかブログの更新をすっかり忘れており、催促の連絡を頂いてしまいました。申し訳ありません。今後しっかりと気を引き締め直して頑張っていきますので、本年もよろしくお願いいたします。

 

1月10日研究会報告

 年が明けた2023年最初の研究会では、三条会関美能留さんによる講演会が行われ、『近代能楽集』の「班女」と「道成寺」の舞台を観劇しました。

 今回はこれまでの演目とは異なる、ふたつの作品を融合させた特殊な構成とのことで内容の予想が全くつかなかったのですが、私は舞台上と舞台下のふたつの空間を活かした演出に特に驚かされました。例えば「道成寺」におけるオークションのシーンで客席側から役者が登場する等、他の作品以上に空間を幅広く利用していた印象でした。

 全体的に音声の調子が悪く、台詞が聞き取れない場面が多かったのがひとつ惜しい点ではありつつも、個人的に最も気になっていた演出における疑問や謎が解消されてスッキリしました。前回のブログで田中くんが「どのようにいい意味で裏切られるのか」と語っていましたが、まさにこちらの予想の斜め上を行く場面が連続する面白い舞台でした。

 時間の都合上、質疑応答は来週行われる予定となっています。1週間空けての質疑応答になりますが、時間を置くことによってこれまでとはまた違った方向性の質問や感想も挙がるのではないでしょうか。次回の研究会も楽しみです。