2023年11月7日研究会報告

こんにちは、3年の関です。

ブログを読んで、布団と戦っている方が自分の他にもいた、良かった!と安心しました。しかしこたつという名のラスボスが控えているので恐ろしいですね。なんとか頑張りましょう…!

 

2023年11月7日研究会報告

 

今回の研究会は、4年の山﨑さんと守友さんによる卒論の中間プレ発表が行われました。

 

山﨑さんは、濱口竜介監督の長編映画の変遷を追い、濱口映画に通ずる主題の描かれ方を明らかにするという研究を行われていました。その中でも映画の結末部分に着目し、「合流と分岐」と「正視」というキーワードを用いて論を進められており、大変興味深く聞かせていただきました。個人的な話になりますが、結末部の改稿が行われたという『ハッピーアワー』に特に興味が湧き、私もぜひ改稿前と改稿後を見比べてみたいなと思いました。

質疑では「正視」という言葉について、その解釈や用語選択の妥当性について意見が多く交わされました。

 

守友さんは、挿絵研究ということで、挿絵や表紙、イラストレーターとの関わりについて言及の多いはやみねかおる石崎洋司の作品を対象とし、絵から作家や作品にもたらされる影響を明らかにするという研究を行われていました。分析例では、石崎洋司の「黒魔女さんが通る!」シリーズ全体に見られる特徴である「軽い文体」について、挿絵の大きさや数、語りの効果から分析されていました。私は幼い頃は何気なく挿絵を見ていたのですが、その影響力の大きさを知り、自身の読書体験を振り返るきっかけにもなったなと思います。

質疑では、児童文学と児童文庫の違いについてや、読者にどのように受容されているのかを踏まえて検証を行うと良いのではないかといった質問や指摘がありました。

 

お二人の研究は、映画研究、挿絵研究ということで文学研究と異なる点も多く、論の進め方はもちろん着眼点や研究の手法についてもとても勉強になりました。また、一方で、作者の意図を確認するだけではなくその意図によりどのような効果が生まれているかまで考えるということや、読者の声にも着目することが重要だということはどの研究にも言えることだと感じました。今後研究がどのように発展されていくのかとても楽しみです。6月の題目発表からさらにパワーアップされた発表、ありがとうございました!