7月11日の研究会の報告と次回の研究会について

こんにちは。三年の永原です。
7月11日の研究会の報告をします。

今回の研究会では、四年の高島さんと中島さんの卒業論文題目発表が行われました。

高島さん:小川洋子研究 〜小川洋子が描く曖昧な世界〜 (仮)

小川洋子の、「曖昧である」という作風とそこで用いられる「記憶」の存在について作品を通して分析し、その原因と効果を考察していくことで、小川洋子の描く世界を明らかにしていく、という内容でした。
小川洋子の「曖昧さ」をどのように分かりやすく説明していくのか、また、バランスを考えながら章立てを行ったほうがよい、などの意見があがっていました。
作者が「曖昧」な世界を描いた意図や、小川洋子のもつ「曖昧さ」とは一体どのようなものなのか、気になるところです。

中島さん:岡崎京子研究ー怒涛の時代に生きる女ー

岡崎京子は1980〜90年代を代表する漫画家で、その作品には資本主義や消費社会、生と死、セックス、欲望といったキーワードが描かれており、岡崎がそれらのキーワードをどういった形で作品に取り込んだのかということについて内容とともに作画についても分析していく、といった内容でした。
分析例として『ヘルタースケルター』の分析がされていました。『ヘルタースケルター』の登場人物である「りりこ」が身体加工をする目的は何なのかということについて更に考察を深めていったほうがよいという指摘や、作品の結末の部分をどう捉えるのか、本当に「りりこ」は犠牲者なのか、という意見があがっていました。
漫画についての研究は自分にとってあまり馴染みがないものなので、研究内容が興味深く、また新鮮に感じられました。

以上が7月11日の研究会の報告でした。

次回7月18日の研究会のお知らせです。
次回は西沖さんと矢野さんによる卒業論文題目発表が行われる予定です。
西沖さんから、坂口安吾の『夜長姫と耳男』を読んできておいてください、とのことです。
また、矢野さんから、安部公房の特徴が出ている作品を一つ読んできておいてください、とのことです。