2022年11月15日研究会報告

 こんにちは、3年の田中です。気温が低い日が続き、冷え性の私は、水回りの掃除や洗濯が億劫になってきました。朝も布団から這い出るのに一苦労で、この先が思いやられます。

 今回の研究会では、私田中の研究プレ発表を行いました。自分で自分の発表について記事を書くのは、書きやすさもあり、しかし気恥ずかしさもあり、と少々複雑な心持です。

 

11月15日研究会報告

 私は伊坂幸太郎の初期の作品について、長編の『魔王』『ゴールデンスランバー』『モダンタイムス』の三作を扱い、初期作品に見られるモチーフと、他の初期作品との比較について、発表しました。

 伊坂の初期作品には、個人的の範疇を超えた〈大きな流れ〉というものが度々登場することに着目し、とりわけ扱う三作ではその〈大きな流れ〉に立ち向かう個人が描かれている、という旨の読解をまとめました。

 繋がりがあるとは言え、長編三作の主題や相違点をまとめていくのは大変でしたが、ある程度の筋道は立てつつ、結論まで持っていけたのではないかと感じています。しかし、情報量はやはり多くなったので、発表時間は15分を1分ほどオーバーしてしまいました。

 

 質疑では、私が資料の弱点だと思っていた、情報量の多さと記述の「くどさ」については、特に問題ないと言っていただき、また、概ねこの方向で大丈夫と、肯定的な意見を頂くことができました。お褒めの言葉ありがとうございました。

 加えて、読解内容や私の解釈の弱点だと思っていた点はほぼ全て指摘していただきました。まず「初期」の定義をどうするのか、という点。伊坂のデビュー後10年の間の作品、と絞ったことについて、問題点や見直しのポイントについて意見を頂きました。また、定義という点では、〈大きな流れ〉の捉え方や、それを表現する際の言葉遣いについても指摘して頂きました。〈大きな流れ〉として登場するものと、それに対峙する登場人物たちとの境界線にも関わるので、再考したいと思います。

 自分ではメリハリをつけたつもりでも、もっと概括的に記述したほうがいいいところと、たっぷりと紙幅と時間を確保して述べたほうがいいところの差をつけることについてもアドバイスを頂きました。論理展開や情報量の調整にはできるだけ注意を払い、客観的な記述になるよう心掛けたのですが、改善点はたくさん出てきたので、本発表までに修繕を加え、よりよい資料にしていきたいと思います。

 たくさんの質問やご意見、ありがとうございました。