こんにちは!3年の門家です。
最近本屋に行くと店頭に出版社ごとの夏フェアの作品が並んでおり、なかでもホラー作品の特集が組まれているとついつい足を止めてしまいます。古き良き純文学作品から最近の話題作まで一押しの作品が並んでいるのでみなさんもぜひ本屋さんに足を運んでみてください!
7月8日研究会報告
今回の研究会では前回の村上春樹『風の歌を聴け』に引き続きマイエル・イングリッドさんによるワークショップで取り扱う作品として川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』の読書会を行いました。
川上未映子は芥川賞受賞作の『乳と卵』をはじめ、詩集を含め多くの受賞作を生み出しており、2011年に刊行された『すべて真夜中の恋人たち』は2023年の全米批評家協会賞の最終候補5作品にノミネートされました。同作は現在、フランス語、イタリア語、ハンガリー語に翻訳されています。
話し合いの時間ではタイトルの意味や登場人物らの生き方、その1人がついた嘘などについて各々の考えを交換しました。
登場人物らの不完全性がある種の救いとなっているといった意見や、一人称の語りでありながらどこか俯瞰的で読者との間に距離を感じさせるといった意見など、作品の要素について考察し、読みを深めました。
本作は前週の読書会で取り扱った村上春樹の作品とは対照的に世界観や登場人物らの価値観、口調が日本になじみのあるものだったので、翻訳という観点においてもまた違った視点で話し合うことができました。また、主人公が日本人女性ということが、海外で本作が読まれる際にどのように作用するのかということもあらためて気になりました。
次回の研究会はいよいよ翻訳家マイエル・イングリッドさんをオンラインでお招きしてのワークショップが行われます!お楽しみに!!