7月1日研究会報告

こんにちは!3年の油谷です。

 

 

みなさんは6月に公開された吉沢亮さん主演「国宝」を知っていますか?

 

長尺でありながら、高く評価されている作品で、予告動画を見ただけでも引き込まれてしまいました。わたしも時間を見つけて、はやく見に行きたいです!

 

 

7月1日研究会報告

 

 

本日の研究会では、7月15日におこなわれる翻訳家のマイエル・イングリッドさんによるワークショップに向けて、村上春樹風の歌を聴け』『1973年のピンボール』を扱った読書会を行いました。

 

 

村上春樹は、独特な文体や謎めいたストーリーで、普遍的なテーマが国境を越えて伝わり、国内外問わず多くの読者に愛され続けている作家です。デビュー作と二作品目であるこれら2作品は、当時の社会情勢とリンクするような「喪失感」や「空虚感」の要素が含まれています。

 

 

話し合いの時間には、僕と鼠の関係、ピンボール探しとは一体何なのか、これらの作品の日本らしさは何か、など活発な意見交換が行われました。

 

 

登場人物たちの日本人特有の受動的な姿勢や神話的な空間という日本らしさがある一方で、あえて日本らしさを排斥している描写が多いという意見もありました。断片的にストーリー展開されていく今回の二作品は解釈が難しいところも多く、ほかの人の意見を聞きながら、新たな見方の発見になりました。

 

今回の読書会で2作品の理解が深まり、翻訳文体によって、アメリカ人にとっては読みやすくてもヨーロッパ圏の人々にとってはどうなのか、翻訳が難しかった点はどこなのか、など、聞いてみたいことの発見にも繋がりました。

 

次回の研究会は、今回に引き続き、ワークショップに向けた読書会を行います。扱う作品は、川上未映子『すべての真夜中の恋人たち』です。