二度目まして、新三年の境です。今年度初回の報告記事を担当し、その後順番を名簿順にしたらすぐまた自分の番が回ってくることになりました。昔からさ行の自分はいつも名簿の真中より少し前あたりの、なんとも言えない番号だったことを思いだします。
4月26日研究会報告
今年度三回目の研究会では前回に引き続きブックトークを行いました。発表者は我々三年生と、院生(M)のお二人。そして先生方です。
以下に紹介していただいた作品を掲載いたします。
〇小説
・吉田篤弘『それからはスープのことばかり考えて暮らした』(境)
・レディア・ディヴス 訳:岸本佐知子『ほとんど記憶のない女』(境)
・桜庭一樹『少女を埋める』(境)
・万城目学『偉大なるしゅららぼん』(田中さん)
・青柳碧人『浜村渚の計算ノート』(守友さん)
・田丸雅智『E高生の奇妙な日常』(加川さん)
・ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』(宮崎さん)
・アーサー・C・クラーク『地球幼年期の終わり』(宮崎さん)
・カズオイシグロ『クララとお日さま』(ダルミ先生)
〇エッセイ、読書日記
・桜庭一樹『桜庭一樹読書日記 少年になり本を買うのだ』(境)
・渋谷龍太『都会のラクダ』(田中さん)
・星野源『そして生活は続く』(山崎さん)
〇漫画
・松井優征『暗殺教室』(田中さん)
・大友克洋『童夢』(宮崎さん)
〇歌集
・俵万智『チョコレート革命』(加川さん)
・鳥居『キリンの子』(加川さん)
・萩原慎一郎『滑走路』(加川さん)
・アンソロジー『短歌タイムカプセル』(加川さん)
〇ノンフィクション
・坂上香『プリズン・サークル』(有元先生)
前回に引き続き、多様なジャンルから様々な本、だけでなくラジオ番組まで紹介していただきました。
紹介の仕方も、原作小説の紹介にとどまらず漫画版や青い鳥文庫版、さらにミュージカルにもなったという情報を添えてくださったり、実際に収録されている短歌を詠みあげてくださったり作品の書かれた背景をお話してくださったりと、どの方のブックトークもお話に引き込まれつつ拝聴しました。事前にメモしないとうまく話せない自分の不甲斐なさを恥じるばかりです。
紹介する作品の選出理由も、地元が舞台であったり、自分のルーツ的なものであったりと新年度らしく、まさに名刺代わりの一冊と呼べるようなものが多かった印象です。新三年生の間で申し合わせたようにエッセイ系がかぶったのは不思議でしたが……。読書する習慣のない人だけでなく、こういう場でも紹介しやすいのかもしれません。
『クララとお日さま』の紹介で、洋書のものと日本語訳のものとを見比べそれぞれ表紙のイラストから受ける印象が違うという話も大変興味深く聞きました。私は小説や詩などの作品が、「物体」となって存在してくれる「本」というものを本当に愛おしく思っているのですが今回実際に自分が本を手に取りながら話し、またほかの方のブックトークも聞きながら、改めて「本」が物体として存在してくれることの意義を感じました。演習発表の準備などもあり、なかなか忙しくしているのですがGWの期間中どれか一冊は手に取りたいと思います。