夏休み特別企画「夏の想像力旅行」報告

こんにちは、オンライン合宿がなければ、夏休みのハイライトが排水溝のぬめり取りを買ってその効果に感動したことになっていたD1の奥村です。

本日、9月26日は夏休み特別企画「夏の想像力旅行」が行われました。
興奮さめやらぬ震える手でキーボードを叩いていますので、誤字等はご容赦ください。
今年で五年目。すっかり恒例となった夏合宿ですが、今年は過去最大級のタスクの量だったと語る秦さんの開会の辞で幕を開けました。

林芙美子「風琴と魚の町」では、方言と一人称について議論が交わされました。
方言が混ざっていることや、一人称が最後に変化していることをどのように意味づけるかということについて話し合われました。
中国・九州の方言に関しては無知蒙昧な奥村は、その議論を聴いて、まさに目からうろこ、モニターの向こうでうおおと唸っていました。

岡本かの子「鮨」では、ゴーストフィッシュをどのように意味づけるかということについて話し合われました。
また、他にも、病院と藤棚を新陳代謝に結び付ける解釈や、鮨の描写の特徴とと湊の心情を重ねる読みなど、自分では思いつかなかった解釈を聴くことができて、勉強になりました。

江戸川乱歩「二癈人」では、「癈人」という言葉の解釈や、二人を並列させていることが議論の中心となりました。
江戸川乱歩の戦争への考えが読み取ることができる可能性なども示され、更なる読解に繋がるのではないかと個人的に思ったりしました。
また、推理小説や探偵小説への批評性を持っているという指摘もなされました。

内田百閒「花火」では、夢らしさがどのようにして演出されているのかということや、神話や民話との関連について議論がなされました。
また、牛窓という土地がなぜ登場したのかということについても話し合いが行われました。

宮沢賢治銀河鉄道の夜」では、作中に描かれる自己犠牲をどのように読むのかということについて話し合いが行われました。
また、カムパネルラの母の生死についても議論が交わされました。奥村は生きているという読みをしていなかったので、新しい視点として勉強になりました。
ほかに、五・七調の韻文になっていることや、「春と修羅」との関係についての発言もあり、他の賢治作品との関係から読むということの可能性も示されたのではないかと感じました。

まだ読んだことがない面白い作品に出会うことができて、とても楽しかったです。
内田百閒と岡本かの子が特に面白かったので、別の作品も図書館で借りて、読んでみようと思いました。たぶん、同じ考えの人が多いと思うので、小学校の『デルトラ・クエスト』以来の図書館での本の争奪戦に武者震いしています。横取りされないように、瞬足を履いて全力で取りに行きます。


話題提供者の皆さん、資料作成お疲れさまでした。
司会担当の皆さん、お疲れさまでした。
矢吹さん、チラシ作成お疲れさまでした。ありがとうございました。
秦さん、企画準備等お疲れ様です。ありがとうございました。