4月18日研究会報告&4月25日研究会のお知らせ

初めまして、3年生の加地です。
今年度のHP係になりました。よろしくお願いします。

4月18日の研究会について報告します。
今回は4年生さんのブックレビューを行いました。
以下、研究会で紹介された作品です。

中島さん:『少女地獄』/夢野久作
虚言癖の少女が嘘をつき通すためにまた別の嘘を重ねていくことで追いつめられていく話。
誰でも陥りかねない問題のような気がします。自分をよく見せたい、誰からも好かれたい、という欲望から解放されるには、いったいどうすればいいのでしょうか。

藤井さん:『イン・ザ・プール』/奥田英朗・『アンネの日記』/アンネ・フランク
2作品紹介していただきました。『イン・ザ・プール』って水泳の話かと思っていたので、精神科の話と知って驚きました。しかも主人公は精神科医なのに少し頭がおかしいんだそうです。『アンネの日記』では、隠れ家生活という厳しい状況でアンネはなぜこのような日記を書くことが出来たのか、ということについて話が出ました。

大野さん:『ゼロの王国』/鹿島田真希
自分の幸福を望まない潔癖な男が、自分と深く関わった女性を次々と不幸にしてしまう話。他人を幸せにしたいのに、自分が関わって影響を与えることでその人を不幸にしてしまうというのが可哀そうというかたちが悪いというか……。翻訳調の文体で書かれていて読みづらいそうです。

塚原さん:『大人のための残酷童話』/倉橋由美子
ギリシャ神話、アンデルセン、グリム、日本昔話の4分野から20編の物語を取り上げ、作者がアレンジしたもの。タイトルの通り童話の残酷な面が取り上げられていて、それぞれの物語に教訓がついています。挿絵が入っているのも想像力をかき立てられるポイントです。

加川さん:『PSYCHO-PASS』/深見真
近未来の日本が舞台。そこでは人間の心理状態や性格が数値化され、規定値を超えた人はたとえ犯罪を犯していなくても「潜在犯」として捕まってしまいます。そこで治安維持のために働く刑事たちの物語です。個人的には「どうして未来ではそんなプライバシーや人権を無視した世界になってしまったのか」ということに興味があります。

矢野さん:『さよなら妖精』/米澤穂信
ユーゴスラビアからやって来た少女と高校生の少年の物語。ミステリーの一種だそうですが殺人事件などは起こらず、日常に潜む謎を解いていくという、日常ミステリーというカテゴリーです。遠い国からやって来た少女は、いったいどんな問題を抱えているのでしょうか。とても気になります。

以上です! どの本もとても面白そうでした。最近講義で扱う作品が中心で趣味の読書がはかどっていなかったのですが、久しぶりにゆっくりと読書を楽しみたくなりました。

次回4月25日の研究会についてお知らせします。
次の研究会は阿部公房「人間そっくり」の読書会を行います。
5月2日(土)に研究会で「人間そっくり」の公演を観に行くので、その予習です。
来週、本文を一部コピーしたものを先生のお部屋のドアに挟んでくださるそうです。研究会までに読んでおいてください。余裕がある人は作品全文を読むようにしてください。

また、25日は19時からてしおにて新歓もあります。

以上、加地でした。