こんにちは!3年の西沖です。
1月24日の研究会についての報告です。
今回は広大文学部日文出身の作家、小山田浩子氏が芥川賞を受賞されたということで、受賞作の「穴」を取り扱いました。
派遣社員として働いた「私(あさひ)」は、夫の転勤で仕事をやめ夫の実家の隣に住むことになる。そこである日犬でもたぬきでもない謎の動物に出会い、後をつけるうちに「穴」に落ちてしまう…というストーリーです。
描写が細かくリアリティがあるのに、ところどころで不思議な出来事が起こるのが印象的な作品でした。
研究会では主に以下に挙げたことについて話し合いました。
・嫁姑関係は良好に見えるが、じつは嫁いびり的なものも存在しているのではないか。
・特に人間関係に関して「私」の感じている違和感。
・義父の水まきや夫の携帯いじりは作中でどのような意味合いを持つのか。
・「穴」は何を象徴しているのか
・この作品の主軸は、お金に対する価値観なのではないか
・義兄と子どもはどのような存在だったのか。
・兼業主婦と専業主婦についてや、派遣と正社の違いなどが細かく書かれていて、現代的である。
・最近作者が深沢七郎を読んだということもあり、影響が感じられる。
個人的には義兄と子どもが何者だったかが今も気になってしょうがないです。
ではまた来週もよろしくおねがいします!