6月7日 研究会

更新が遅くなってしまってすみません。高島です。
6月7日の研究会では大野さんの3年生プレ発表と小谷さんのブックレビューが行われました!

まず大野さんが発表で扱う作品、安倍公房の『砂の女』についてです。

「罰がなければ、逃げる楽しみもない」
家が埋もれないように砂掻きを強いられる部落での監禁生活
繰り返される脱出計画
物語の最後の「失踪届」「審判書」

男はなぜこのような結末を選んだのか、そして「罪」とはなんだったのか。

このテーマについて男の視点から見た砂の生活と外界とを比較することで考察されていました。
詳しくは省略しますが、「灰色」などの色の描写や男と女と外界と部落のピラミッドの変化などから最終的に男が自ら女の元へ帰って行った理由が明らかになりました。

また有元先生から3年生発表に向けてレジュメ作成のアドバイスもいただきました。
先行研究は自分の論に近いもの、そして新しいものを探すこと。考察に小見出しを付けること。作者についての項目を扱う作品に絡めたものにすること。そして正しい引用の仕方。
これらのアドバイスをしっかり考慮にいれながら、聞いている人が興味をもってくれるような、そんな面白い発表ができるようになりたいと思いました。
私も10月の発表に向けての準備、頑張ります!

次に小谷さんのブックレビューについてです。
今回紹介していただいたのは、映画『卒業』(1967年 アメリカ)でした。
両親の友人ロビンソン夫人と恋仲になるが、その娘のエレーンとも交際を始めるベン。夫人の暴露によってベンは両親からも見放され、エレーンh別の人と結婚することになるが、結婚式当日ベンはエレーンとともに式場から逃亡する。この「花嫁をさらう」シーンはとても有名です。しかし、このあとふたりは真実の愛を手に入れるー・・・と思いきや、実はそうではなかった、ということを「フレーム」という映画の演出方法に基づいて発表されました。
「フレーム」によって表現される閉塞感については、レジュメに載せられていた画像を見るとほんとうにその通りで、映画の演出技法に私も興味を持ちました!人物の配置やドアなどの背景の意味、映画ならではの表現方法でとても面白いと感じました。
そして映画学の教科書でありと紹介されていた、スイス・ジアネッティの『映画技法のリテラシーⅠ』を読んでみたいと思いました!

来週の研究会は西沖さんの3年生プレ発表です。
作品は中島敦の『文字禍』です。読書会で配布された本文のコピーは有元先生の研究室の扉に用意されている、とのことです。
そして先週でお菓子が全部なくなったので、来週からお菓子の種類が新しくなります!楽しみですね!\(^o^)/

それでは失礼します)^o^(