2013年 4月19日 研究会

こんにちは!新しくブログ係になった三年の西沖です。よろしくお願いします。
早速ですが19日の研究会では、係り決定とブックレビュー(3年生)をしました。
係り決めでは3年生はそれぞれが四つの係りを担当することになりました。
一年間頑張りますので有元先生、先輩方よろしくお願いします。

以下ではブックレビューの内容を紹介します。

加川さん:ピアノ/芥川龍之介
関東大震災の直後、野ざらしになっていたピアノがあった。主人公の「私」がその場所を通るたびに誰もいないのにピアノが鳴る・・・というストーリーでしたが、ラストを聞くまではホラーかと思ってしまいました。ほっこり系としては芥川では「蜜柑」に近い感じを受けました。


塚原さん:深い河/遠藤周作
戦争から40年後、それぞれの理由からインドツアーに参加する日本人男女五人の話。内容もなかなか入り組んでいそうだったのですが、舞台がインドというのがまた混沌を生みそうな感じがします。キリスト教信者の大津が仏教発祥の地であるインドに行く、というのが気になりました。彼がツアーに参加したもともとの理由と関係があるのでしょうか。


西沖:地球から来た男/星新一
研究会で紹介した表題作のほか、声しか聞こえない女と逢瀬を重ねる「夜の迷路」、さえない男がある日「ブルギさん」という謎の存在になりちやほやされる「もてなし」が好きです。落ちがはっきりしすぎないところが魅力な作品集です。同じ作者で「城の中の人」という時代小説もおすすめです。


中島さん:阪急電車/有川浩
阪急電車に乗り合わせた人同士のつながりを描いたオムニバス集だそうです。女性目線で書かれており男性から見るとひいてしまうところもあるかもとのことですが、個人的にはそういう描写には共感できることが多いので好きです。有川浩はSFや戦闘ものを書いているイメージがあったので日常系の作品もあるのが意外な感じがしました。


大野さん:思い出トランプ/向田邦子
研究会では「カワウソ」という作品について詳しく聞きました。カワウソに似た妻は残酷ではありますが、どこか憎めない印象を受けました。妻の行動をなあなあにし続けていたのにラストでは妻に包丁を向ける、という夫の行動は極端に感じましたが,もともと妻は誰にとっても完全に受け入れるか排除するかの二択しかない存在なのかもと思います。

高島さん:バイバイブラックバード/伊坂幸太郎
郵便小説という企画があるのを初めて知りました。一話につき希望者50人に配布されていたものをまとめた本だそうです。交際している女性達に期限付きで次々と別れ話をするという構成は、太宰治の「グッドバイ」を意識しているように思われます。監視役のマユミさんが気になります。

以上三年生ブックレビューでした!
次は先輩方に本の紹介をしていただくということで楽しみです!
来週もよろしくお願いします。

西沖