10月5日の研究会予告

お久しぶりです、3年の坂本です。

先日のオンライン合宿では読書を通して旅行気分を味わうことができ、充実した1日を過ごすことができました。

さらに先輩方との交流の場もあり非常に楽しかったです!

さて、夏休みももうあと僅かとなりました。

夏休み明けの研究会は10月5日からの開始となっております。

10月5日の研究会では高野さんと妹尾さんによる4年生プレ発表を行います。

後期からの研究会も楽しみです!

夏休み明けも気持ちを切り替え、頑張っていきたいと思います!

夏休み特別企画「夏の想像力旅行」報告

こんにちは、オンライン合宿がなければ、夏休みのハイライトが排水溝のぬめり取りを買ってその効果に感動したことになっていたD1の奥村です。

本日、9月26日は夏休み特別企画「夏の想像力旅行」が行われました。
興奮さめやらぬ震える手でキーボードを叩いていますので、誤字等はご容赦ください。
今年で五年目。すっかり恒例となった夏合宿ですが、今年は過去最大級のタスクの量だったと語る秦さんの開会の辞で幕を開けました。

林芙美子「風琴と魚の町」では、方言と一人称について議論が交わされました。
方言が混ざっていることや、一人称が最後に変化していることをどのように意味づけるかということについて話し合われました。
中国・九州の方言に関しては無知蒙昧な奥村は、その議論を聴いて、まさに目からうろこ、モニターの向こうでうおおと唸っていました。

岡本かの子「鮨」では、ゴーストフィッシュをどのように意味づけるかということについて話し合われました。
また、他にも、病院と藤棚を新陳代謝に結び付ける解釈や、鮨の描写の特徴とと湊の心情を重ねる読みなど、自分では思いつかなかった解釈を聴くことができて、勉強になりました。

江戸川乱歩「二癈人」では、「癈人」という言葉の解釈や、二人を並列させていることが議論の中心となりました。
江戸川乱歩の戦争への考えが読み取ることができる可能性なども示され、更なる読解に繋がるのではないかと個人的に思ったりしました。
また、推理小説や探偵小説への批評性を持っているという指摘もなされました。

内田百閒「花火」では、夢らしさがどのようにして演出されているのかということや、神話や民話との関連について議論がなされました。
また、牛窓という土地がなぜ登場したのかということについても話し合いが行われました。

宮沢賢治銀河鉄道の夜」では、作中に描かれる自己犠牲をどのように読むのかということについて話し合いが行われました。
また、カムパネルラの母の生死についても議論が交わされました。奥村は生きているという読みをしていなかったので、新しい視点として勉強になりました。
ほかに、五・七調の韻文になっていることや、「春と修羅」との関係についての発言もあり、他の賢治作品との関係から読むということの可能性も示されたのではないかと感じました。

まだ読んだことがない面白い作品に出会うことができて、とても楽しかったです。
内田百閒と岡本かの子が特に面白かったので、別の作品も図書館で借りて、読んでみようと思いました。たぶん、同じ考えの人が多いと思うので、小学校の『デルトラ・クエスト』以来の図書館での本の争奪戦に武者震いしています。横取りされないように、瞬足を履いて全力で取りに行きます。


話題提供者の皆さん、資料作成お疲れさまでした。
司会担当の皆さん、お疲れさまでした。
矢吹さん、チラシ作成お疲れさまでした。ありがとうございました。
秦さん、企画準備等お疲れ様です。ありがとうございました。

夏休み特別企画「夏の想像力旅行」のお知らせ

f:id:hirogen1:20210921144644j:plain

 

一体こんな町が、東京の何所にあったのだろう。(中略)私は夢を見ているような気がした。それが現実の町ではなくって、幻燈の幕に映った、影絵の町のように思われた。だがその瞬間に、私の記憶と常識が回復した。気が付いて見れば、それは私のよく知っている、近所の詰らない、ありふれた郊外の町なのである。(萩原朔太郎猫町」)

 

 

みなさん、こんにちは。D2の秦です。

 

私たち現代文学研究会は、毎年恒例、夏休み合宿を行なっています。

今年はオンラインの開催で、表テーマは「近代文学を読もう」。ここ最近、研究会にて近代文学(たとえば第二次世界大戦前の作品など)を読む機会が少なくなってきていたので、この夏休みにみんなで読もうではないか、というわけです。

 

けれども、ただ読むだけでは面白くない! ということで裏テーマとしたのが、「夏の想像力旅行」。研究会のみなさんに提案したときには、次のような文章を振りかぶったのでした。

 

 

今年は合宿ができない――

誰からともなく、そう聞こえてきた。夏休みまでに感染状況が落ち着いているはずもなく、集まるのは絶対NG。

みんなで遠くに行き、食べて飲んで話して温泉に入って花火をするのは今年もお預け……いや、本当にそうか?

文学部――読むことと考えることが生業。形式はオンラインでも、我々には「想像力」という武器がある!

現実には集まれなくとも、読書体験の中で遠くに行き、食べて飲んで温泉に入って花火をすることはできる!!

合宿と景色の重なるような作品群で読書会大会を開催し、「疑似・夏合宿」を楽しみ尽くすんや!!!

 

 

……ということで、旅の一日になぞらえ、次のようにタイムテーブルを組んでみました。

 

日時:9月26日(日)11:50~17:50 於・Teams

 

【到着】 林芙美子「風琴と魚の町」(担当:4年生)

【飯】  岡本かの子「鮨」(担当:D院生)

【温泉】 江戸川乱歩「二廢人」(担当:M院生)

【花火】 内田百閒「花火」(担当:4年生)

【星空】 宮澤賢治銀河鉄道の夜」(担当:3年生)

 

最初に掲げた合宿チラシは、前年に引き続き、D2の矢吹さんにご担当いただきました。

では、夏休みの掉尾、みなさんと一緒に読書ができることを楽しみにしています(^ ^)

 

 

※参加は現代文学研究会のメンバーに限らせていただいております。

 

7月27日の研究会について

こんにちは、3年の坂本です。

7月27日の研究会では読書会が行われました。取り扱われた作品は太宰治の『駆け込み訴へ』です。

この作品はこれまでに演習や読書会でも取り上げられたことがあるそうで、今回の読書会でもたくさんの意見が出されました。

『駆け込み訴へ』と聖書の比較、セクシュアリティやマリアが登場するシーンについて、ハラスメントと関連させた意見など、様々な視点からの意見が出され非常に興味深かったです!

また、演習や以前の読書会での考察も聞くことができ、とても勉強になる読書会となりました!

夏の暑さも本格的になり、非常に暑く日差しの強い日が続きますね。皆さま熱中症に気を付けてお過ごしください。