10月14日の研究会報告

こんにちは。3年の秦です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

すっかり肌寒くなって、もう秋、と思いきや、私の部屋にはまだ蚊が息を潜めています。夏の名残はまだ、そこらじゅうに転がっているのかもしれません。だから蚊取り線香でも焚こうかと買い求めに行ったのですが、小さい店だと「もう置いていない」ということだそうで、ホームセンターで見つけるまでに二時間近くかかってしまいました。夏の名残は気のせいでしたね。夏は完全に過ぎ去っております。

10月14日の研究会では、4年生の矢吹さん、石原さんによる卒業論文題目発表プレ発表を行ないました。

矢吹さんは「『寺山修司論』評論における犯罪への興味(仮)」というタイトルで、寺山修司の諸評論を「犯罪」という切り口で論じました。
交わされた意見には、「他の創作や演劇との関わりはどのようであるか」「あらゆる犯罪論の中から敢えて寺山のものを取り上げる理由は何か」といったものがありました。

石原さんは「吉田知子研究ー不条理な世界を見つめる「眼」ー(仮)」というタイトルで、不条理で幻想的な作風が特徴の作家・吉田知子を、彼女の集大成的作品といえる『無明長夜』を中心に論じました。
交わされた意見には、「吉田の目指すもの自体はエッセイ等で明らかになっており、それがどのように作品に表れているのか、考えてみても良いのではないか」「安部公房の影響力はやはり大きいのだな、と思った」といったものがありました。

どちらも、今までに目を向けられることの少なかった作家・作品を真正面から取り扱った大変に意欲的な発表で、私たち3年生にとっても非常に大きな刺激になりました。のみならず、純粋にそれらの作品を読んでみたい、触れてみたいと思ってしまうような切り口で、これらの発表を聞くことができて幸運であった、とも思います。矢吹さん、石原さん、お疲れさまでした。

最後に、寺山修司と私の誕生日が同日であるということを申し添えておきます。失礼します。