6月14日 研究会

更新がおそくなってしまいすみません。
担当させていただきます藤井です。

6月14日の研究会では西沖さんの3年生プレ発表が行われました。
中島敦「文字禍」についてです。

図書館にいるとされている精霊を文字の霊だと確信し、その文字の霊が選んだ文字が歴史になるのだと博士は言う。
一方、文字は人間が選ぶものであると歴史家は言う。
最後、博士が本に押しつぶされて圧死したのは偶然か、それとも文字の霊なのか。

どちらの事実が正しいかは本文中では明記されておらず、読み手の判断に委ねられています。
更に「文字禍」が書かれた当時は言論統制の時代でもあり、その時代への皮肉を書いた作品であるとも考えられています。

また質疑応答では、
・"文字の霊は存在しない"→"博士の死は文字の霊の仕業である"と語り手の立場に変化が見られる
という意見や、
中島敦の「○言葉魂」というメモから言霊がイメージされる
という意見も出されました。

形式については、
・内容に関連した(今回の場合は文字や言葉などに関する)文献を用意する
・同時代評、先行研究はそのまま載せるのではなく自分のまとめも記述すると良い
・作品の概説(先行研究の数、時代背景、作家の位置、典拠など)を初めに付けて持論を述べる
•人が聞きやすい発表を心掛ける
など、様々なアドバイスをいただきました。

わたしも自分の発表に向けて頑張りたいと思います!
それでは簡単なまとめではございましたが失礼しますo(_ _)o